Winnyを作った金子勇に12月13日、罰金150万円の有罪判決が言い渡されました。罪状は著作権幇助罪です。
asahi.com:ウィニー開発者に罰金150万円の有罪判決 京都地裁 – 社会
幇助罪の線引き 著作権の遅れ
幇助罪ってのはある犯罪の手助けをした場合に問われる罪で、車を運転するのを知っててその運転手に酒を勧めた場合なんかに飲酒運転の幇助罪になるわけです。で、この手助けの範囲(幇助になるかならないかの線引き)ってのがかなり微妙で、極端な話、100km/h以上出せる車を作ったらスピード違反の幇助罪になるのか1 とか、日本刀を製造してたら殺人の幇助になるのか、とか言う議論がでてきます。もちろん両方犯罪じゃないですね。
有罪になった判例としては、いわゆるホテトルの宣伝用小冊子を印刷した印刷業者が売春周旋罪の幇助罪にとわれた例もあるそうです2 。まぁ素人から見ても幇助の線引きは結構矛盾をはらんでいます。
さらに現行の著作権の概念が実際の社会(特にデジタル情報を扱う分野)とかけ離れてしまっています。
例えば、僕が書いているこの記事には著作権が発生していて、あなたは勝手にこの記事をコピーしてはいけません。許可とって下さい。(第二十一条 著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。)しかし、このページを見ていてる時にネットへの接続が途絶えても、あなたのPCにはこのページが表示され続けているはずです。それはこの文章があなたのPCにコピーされているからです。
つまりネットでweb上のコンテンツを見る行為、サーバーにアクセスしてファイルをダウンロードするとゆう行為は、情報をコピーするって事なんですが3 、そんな当たり前の行為が著作権と矛盾しちゃってます。
結局こんな風に著作権も幇助もだいぶあやふやな感じで、今回の裁判はそのあやふやさの接合点だったんだと思います。
アメコミにみる、規制と文化
何故日本のまんがはおもしろいのか?その一因には日本のマンガ表現に関する規制が緩かった事があげられると思います。日本のマンガでは少年誌でも暴力表現、性表現、けっこうなんでもありありです。それが結果、市場の拡大に繋がって、今の日本マンガの多様性が保たれています。
一方アメリカのマンガ、アメコミは、50・60年代に増加しつつあった暴力事件の犯人にされて、あれを書いちゃいけない、これを書いてはいけないと表現規制のマニュアルが配布されたそうです。するとコミックはアングラ化して、画一的類型的なヒーローものばかりになってしまったそうです4 。米では『北斗の拳』なんかの暴力描写はありえないらしい。
このアメコミの事例を含めてWinnyの話に戻ると、ソフト開発者に有罪を言い渡すことが、どれだけソフトウェアの文化発展に悪影響をもたらすか、わかりやすいと思います。開発者は新しいものを製作するたびに毎回、法律とゆうリスクに余分なリソースをさかなければなりません。これは世界的にみても異例にきびしいんだそうです5 。
このままアメコミのように日本のwebとかソフトウェアの文化がアングラにもぐってしまうと、YouTubeのような限りなくブラックに近いグレーの部分を含む独創的な企業は、日本では今後も生まれないかもしれません。てか、そのアングラ化の傾向が現時点でも大いにある気がする。
参照・参考
Winny裁判、罰金刑は重いか?軽いか?–自己矛盾を抱えた判決 – CNET Japan
「Winny裁判」で有罪判決、自由なソフト開発はもうできない? - @IT
横山哲也の100年Windows : 「Winny裁判」京都地裁判決に思う
404 Blog Not Found:ソフトウェアをリリースする罪
photo byJimbo Wales
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- 日野法律特許事務所 Hino Law & Patent Office [back]
- 404 Blog Not Found:極めて不当かつ想定の範囲内の判決 [back]
- 漫画評論家の夏目房之介が、唐沢なをきのマンガを評して、アートとしても成り立つ様な実験マンガが、何故日本では娯楽として成り立つかとゆう文脈で語っていました。@マンガ夜話『カスミ伝S』 [back]
- 池田信夫 blog Winny事件の社会的コスト [back]
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2006-12-15
by
rui_mashita 