Andalou.png

ルイス・ブニュエル監督、サルバドール・ダリ脚本、シュルレアリスムの代表的映画。1929年公開。

アンダルシアの犬 [DVD] - cover art
クリック数 このサイトで3人がクリック
amazon.co.jpで詳細情報を見る
Playerルイス・ブニュエル
サルヴァドール・ダリ
Manufacturerアイ・ヴィ・シー
Release Date2002年09月25日
Price3,675yen
Running Time15


上映時間は16分と短い。現実にある物をごちゃまぜに組み合わせて、「夢」をスクリーンに映し出した様な映画。シュルレアリスムはフロイト精神分析の影響下にある。フロイト的な「夢」を映し出す事を製作者は意図していた。

ダリは、シュルレアリスムの中でも一般受けしやすい、現実にある物体の変化やありえない様な組み合わせを描く事を得意した画家だ。そして、確かに映画とは現実物体の変化と組み合わせを表現するのにうってつけの手段だ。この映画はダリにとって、のちの作風の試金石となったのだろうか。蟻、蝶、時計などなど、ダリのモチーフが溢れてる。

夢を組み合わせただけなので、ストーリーは特にない。ただのイメージの連続。メタファーを深読みしよと思えばいくらでも出来る。交通事故で死んだ女を見て欲情する男。フロイトの『快感原則の彼岸』は1920年発表。

現在において、このような「シュール」な手法はありふれていて、さらに洗練されているので、衝撃度は少ないが、公開当時は凄い反響を呼んだそうだ。公開当時の1929年と言えば昭和4年。日本のエログロナンセンスと呼応してるのだろうか。気になる。

今見てもこれはおもしろいと思ったのは、手に集まる蟻→女性のわき毛→砂浜のウニ、と次々にオーバーラップしながら連続されるイメージ。この組み合わせはなかなか思いつかないよ。たぶんダリの着想だと思うけど、想像力の泉が深い。

アンダルシアの犬

アンダルシアの犬

アンダルシアの犬

冒頭の切れる月と目のシーンや、牛の死体の乗った二台のピアノと首に縄をかけた二人の神父を同時に男が引っ張る(文字に起こすと笑えてくる)シーンなんかも印象に残る。下図の、泉のほとりで裸の女のそばに男が倒れるシーンは構図と風景が綺麗だ。なんとなく雰囲気はモネやルノワールの絵画のよう。

アンダルシアの犬

この映画が凄いのは、迷いが感じられないところだろう。象徴的なイメージの連続で映画を作る時、普通はどのようなイメージをどのような順番で配置するべきかに、一番悩むはず。20代の若かりしブニュエルとダリは、何にも迷わなかったのだろう。

あと、四隅が黒くなっている場面が所々にあるが、これは撮影技術の未熟なためか、それとも何か意図しての事だろうか。


Comments

映画も絵画もコラージュな気がする。
これは単なる僕の考え。
それが結果として笑いを生むか他の何かを生むかは別にして、僕はコラージュは好きだな。
自分自身もコラージュはやれば才能あると思ってます。

芸術を観る際に陥ってしまうのが時代と作品の質とのギャップ。
近代作品を疎かにしてしまう難が少しあるが、この先衝撃を増す作品は今現在もあると思うようにしてる。

深読みはいらないかな。
ちゃんとわきげを入れてるところが相変わらず面白いです。

1
2008/06/25 22:59 by "mn"

個人的にはコラージュ苦手かも。横尾忠則展でもコラージュ作品だけには感銘を受けなかったなぁ。
意味性の解体とゆうか、相対化とゆうか、そうゆうのが前面に打ち出されてる感じの作品は、どうもなぁと。それだけがコラージュじゃ無いけども。

>>現在において、このような「シュール」な手法はありふれていて、さらに洗練されているので、衝撃度は少ないが・・
この文書くかどうかちょっと迷ったんですが、やっぱ間違えたかもね。この「アンダルシアの犬」は枯れてないね、今も。

2
2008/06/29 11:23 by rui_mashita

松本俊夫で思い出した。薔薇の葬列にも目を切るシーンがあって、観た時何かアンダルシアの犬を連想したんだけど、みたことなかったらしい彼は。そう考えると、何ていうか実験集などのシュルレアリスムの連続のようなものとリアリズムの間の丁度いい作品を作り上げていて、なんかいい。インタビューでもいってるけど、自分の中に二つの極みたいなものがあって(向かうべきところなのか元々自分の根幹みたいなものなのか)、その統合を成功させることが目標っていうのがとても共感できたんだけど。あとはアヴァンギャルドがシュルレアリスムの無意識であるという彼の発言に対してはruiさん的にはどう思います??はてはて

3
2009/01/30 12:19 by 万年 雄

あと上の僕の発言撤回してほしいなw
映画も絵画もコラージュで説明できるほど単純なものではない。
お恥ずかしいことです。

5
2009/01/30 12:21 by 万年 ユウ

僕も初めとまどったんだけど、松本俊夫のインタビュー記事じっくり読んでみると
「アヴァンギャルドというのはシュールレアリスムの無意識の世界だと考えていました」
って書いてあって、それは、
アバンギャルド = ( シュールレアリスム or 無意識 ) の世界
って意味だと思います。
「シュールレアリスムの、無意識の世界」って風に句読点を入れるとわかりやすい。

6
2009/02/02 21:23 by rui_mashita